渇望に 過ぎないくせに
「それもまた 愛のひとつさ」などと
きらきらしい ことばをちりばめて
とどまるつもりもないくせに
帰るところなどないふりをする
お前の ことばなど 信じない
それを おくびにも出さず
うっとりと 魅入るふりをして
おいで と 手をひろげ
朝になれば かわききってしまう 潤いでもよければ
いくらでも さしあげる
そう嘯きながら
嘘吐きの 頭を抱く
幻の 一夜のことなど すがる気持ちもないのに
気がつけば 渇ききった喉で
喘ぎ 喘ぎ 森の道を急ぐは
わたくし
これは ただの 渇望に過ぎないとしても…
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