2014 年 5 月 31 日 のアーカイブ

生傷

2014 年 5 月 31 日 土曜日

かさぶたになりかかる 

まだ その一歩前の

ひりひり生傷が

ぴり…と 乾きかかったあたりなのに

また ふらふらと 

香りに

蕊に 誘われて

踏み込む

たどり着くことに夢中で

また ちくりちくりと 

すれてきれてささって滲む 血さえ

甘やかな ひととき と

夢が うつつで

うつつも 夢見心地で

誘ってなどいない と

嘯く その腕に

同じような 血を 滲ませてでもやろうか

野茨の 屈託のなさを 装いながら

脇の下半開きにして

2014 年 5 月 31 日 土曜日

田んぼの真ん中に

見たことない オブジェのようなもんがあった

よくみると

なんだ お馴染み 青鷺さま

でも 立ち姿が ただならぬ感じ

翼を 妙に 半端な具合に 広げたまんまなのね

いきなり 暑い日がやって来て

身体がついてゆかぬのか

脇の下…といっていいのか…に

風を 通して 涼んでいたもよう

嘴も 半開き

雀っこさんや 烏さまのそんなようす よく見るけど

鷺さまも例外ではなかったか

乗り越えようね~ なんて 

そっとエール送る わたくしの 脇の下も 
そういや半開き状態

がんばれ わたくしも

苦手な暑さに

なんとか笑って 沿うていこう

よみがえる味

2014 年 5 月 31 日 土曜日

今の庭の苺が うちに来てくれたのは

もう 三十年以上前

同級生の まるにや(桐ヶ窪牧子)の 庭から…

親株→太郎株→次郎株→三郎株…と 増えていくのを

三郎だけ残して 育てると

大きく甘いものになると きいたものの

間引くのも 可愛そうで

そのまんま 大家族

…まぁ なんつうか ただたんに 面倒なので なりっぱなしなだけですが

小さくても 中までしっかりと赤くて

甘味も 酸っぱ味も 濃い!

そのまんまでも んまいが

本日は 潰して 砂糖かけて牛乳かけて

るるるるるん♪

うちが大家族だった頃からの 味だなぁ

じいちゃんばあちゃんおばちゃんおばちゃんちちははあんちゃぴゅーま(犬)

ふと みんなそろっていたときの一瞬がよみがえった

夕陽より赤

2014 年 5 月 31 日 土曜日

畑周りの 苺

夕陽に照らされて

夕陽よりも 

摘んですぐ

口にいれると

暮れ色の 掌で

温もって

すこぅし 体温の低い

誰かさんの舌が 合わさったようで

ぽぅ と

苺色に染まった気がして

途方に暮れる

薄暮れ前

ひかるものは

2014 年 5 月 31 日 土曜日

ひかるものは

朝日なのか

花なのか

蜘蛛の巣なのか

あるいは 

それを みつめる 

わたくしの 

こころもち

そして

いのち