生傷

かさぶたになりかかる 

まだ その一歩前の

ひりひり生傷が

ぴり…と 乾きかかったあたりなのに

また ふらふらと 

香りに

蕊に 誘われて

踏み込む

たどり着くことに夢中で

また ちくりちくりと 

すれてきれてささって滲む 血さえ

甘やかな ひととき と

夢が うつつで

うつつも 夢見心地で

誘ってなどいない と

嘯く その腕に

同じような 血を 滲ませてでもやろうか

野茨の 屈託のなさを 装いながら

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