2016 年 3 月 13 日 のアーカイブ

恋うた

2016 年 3 月 13 日 日曜日

愛を 乞う うた

ここに あるもの でなく

なくしたものへ ではなく
 
すべて なげうたぬくせに

でも 思いはあるのだよ なんて

欠落感という 存在感の種を そっと手渡した

指先の

その ずるさを わかっていながら

うたう うた

追いかけたりしないよ

…そう うそぶきながら

その眼差しの先を

思いの兆しを 

目で

心で 

追いながら

漏れ出るため息にも 似た

恋 うた

さんあい美容室へ

2016 年 3 月 13 日 日曜日

母 

御髪整えに「さんあい美容室」へ

月一で 整えていた おしゃれさんなのに

なかなか 叶えてあげられず

すまぬ

わたくしの めんどくさい病 払拭のためにも

本日 午後に やっとこ 思い腰をあげる

いつもより 明るい色にしたい なんて 

相変わらず おしゃれさんだ

途中の トイレ助太刀のために

あんちゃと 与太話などして 待機

こんな休日も 楽しいものだ

…なんちゃって 出掛けるまでに ごねごねぶつぶつ気分であったくせにな

ほんと 己の ケツの穴の小ささを

屁の 如くに 失笑…

母 おぐしととのえ 最中

うちの先代の話などもよく 知る方が 見えて

「あんだいの じいちゃんは…」やら

「ばあちゃんの出は…」と

いろいろ 懐かしげに 話しかけてくださった

じいちゃんばあちゃんの 結婚の折りの

立派な着物や袴で 行列したのを見た…とか

おおおぉ

母より 大分 お歳 上のようだけれど

独り暮らしで 頑張っておられる

むすめさまのこととか

「嫁」のこととか

惜しみ無く 駄々漏らし…

ひ~

いいのかぁ?と どきどきしつつ

わたくしも 御礼お返しみたいに うちのこと 駄々漏らし

なんだか ご近所 井戸端会議みたいでありました

そんな 四方山話 苦笑いしながらも

おぐし 整った 母

やはり ご機嫌さん

しばらくは そのあたりに うきうきを 支えてもらえるはず

よかったよかった

「さんあい美容室」としこせんせの 息子

たいちくん

幼稚園くらいの頃から 知ってるけど

かあさまと 共に

美容室を 支えておられる

んで 亡き うちのばあちゃんも ずっと そこに通っていたのだけれど

たいちくんのことも たいそう 可愛がっておったのだった

そしたらば 今日 たいちくんから

「これ おばあちゃんからいただいて ずっと お守りにして 持ってたんだけど ぼろぼろになっつまってで…何回か 貼っつけだりして 直したんだげんとも…」と 財布から出して 見せてくれたのは

ばあちゃんが よく作ってた 姉様人形しおり

うわ…

そんな ボロボロになるまで ずっと持ち続けててくれたなんて

うれしくて ありがたくて 泣きそうになった

「もう おばあちゃん作ったやつ…残ってないべがね?」と 遠慮がちに 言ってきた

いや どこかには たしかあったはず

見つけたら 届けますわっ!と 鼻息荒く こたえた

見慣れちゃってて なんてことなしに 見過ごしてしまってるような わたくしよりも

たいちくんに持っててもらいたい

そんな思いで 探した

もし 見つからなかったら 

わたくしもらったものの中から わたしてもいい なんて 思いつつ…

んで ありましたよ

ばあちゃんの 捨てずに 大事にとってあったる 細々 紙切れ端と共に

あぁ

胸が

目頭が 熱くなった

ばあちゃんが これを作っていた頃の日々までが

そこに 仕舞い込まれていたようで

これから もっと 近くを見ていこう 

そんなことも 思った

ありがとう

たいちくん

自分を聴こう

2016 年 3 月 13 日 日曜日

歩くのは好きだけど

アスファルトの上を ずっと歩くのは

そんなに好きじゃない

音が すこぅし 遠くにある わたくしの 裸耳にも 騒がしく届く

溢れんばかりの 音の襲撃も 好きじゃない

音を捕まえないように 閉じるように 歩いたら

ふと 内側に響く 音が 顔をあげる

一足ごとに 

どぅんが!

どぅんが!と

海馬辺りが 鳴っている

そういえば 自分を 聴かなくなっているな…

そんなことを ふと 思う

また 改めて 聴いてゆこう

どぅんが♪

どぅんが♪

どぅん♪

湧く思い

2016 年 3 月 13 日 日曜日

あぁ と 息を呑んで

赤に 立ち止まる

近寄って

なぁんだ 造花か と 思う

さっきの「あぁ♪」は まごうことなき 湧き水のような 思いだったのに

それを 押し戻す ものは なんなのだろう

知識か?

造花など 美しいと思いたくない という 見栄か 目指すところか?

誰も おらぬ 木立の中で

思い惑う

いいのだよ あぁ♪の まんまで

また 出ておいでよ その思い

知識に 阻まれるのであれば

ひととき 知識ののさばる うつつからはなれて

木立に 赤のいる 夢物語に 遊ぼうではないか

そうしてまた 

帰り道を 失っても

それも ひとつの道…などと

うつつへの 片目を 閉じる