本の中には すいすい読めないものがあって
それは 難解さによることもあるけれど
一節から 色んな感情 記憶が 湧き出してきて 立ち止まらざるを得なくなる…ということもある
今回のは 湧き出し立ち止まり系であった…
コロナ禍 騒がれ始めた2020年はじめ頃
お家滞在時間を たのしく♪とか
読書文化復活を!とか
#7daysbookcoverchallenge という流れが始まって
7日間
本の表紙のみ紹介だとか
誰かに 繋いでタグ付けするとか
いろいろ 制約あったのだけど
やはり 読んだ気持ち 言いたくて
制約取っ払い
そこから 勝手に 派生させた
#7daysbookcoverchallengeSpinoff
飽きずに やっとります
2024年 その42
『新版 慶州は母の呼び声』森崎和江(ちくま文庫)
とても名の知れた方だというに
多分 初めて
もっと早くに 出会うべきであったろうに と 悔やんでもしょうがないのだけど…
植民二世と 名乗っておられること
決して 特権に甘んじて暮らしていたわけでもなく
その 柔らかしなやかな 幼心で
日々の暮らしの背景を支える 力の成り立ちを
薄っすらとでも 感じ取り
負い目のようなものさえも 感じておられたようなところ
その時代にあって「皇民」などという言葉に 呑まれぬ 確かなる 眼差しを持っておられた 父上の 存在のおかげもあるのだろうけど(国を支えてゆく子らを大切にせねばならぬのだから 教育や医療の無償は当たり前ではないか…なんてな コスタリカのようなことを その時代に考えておられたとか すごすぎる!)
あっさり読めば のどかなる 幼い日々のエッセイのようでもあるけれど
余章にも記されている「他民族を食い物にしてしまう弱肉強食の日本社会の体質」が 自分の中にも流れている と 抱えながら生きて 書かれたということからくるのか
深くも知らずに 安穏と生きてしまっている わたくしにさえ ちり ちり と 刺すような 痛みが 滲み出てくるようで
しばしば うぅ…と 本を閉じて 息を整えねばならなくなった
引き上げてこられた後 程なくして 自ら逝ってしまわれたという弟さんが 書かれた「敗戦の得物」の中の
「自由の根底」とは したい放題なのではなく「人と人との相互の信頼」「他に迷惑をかけない、他人の不幸を脅かさない」とあるのが
罪悪感と共に 迫ってくる
かつてが野蛮だったから戦争が避けられなかったわけではなく 自国のことばかり みつめる「単眼」で生きているからで 敗戦後もその体質は変わっていない ということば(これは『地球村のびっくり子ども』からの 引用)肝に銘じねばな
本の中に出てきた わらべ唄で ばあちゃんが教えてくれたのと 似てるのがあって おお♪と うれしかったのは
「月夜の晩に、火事が出て、水持って来い、木ベエさん、金タマ落として、泥だらけ」てやつ
うちのは
「げづよのばんげ かずだすて すいどのみずばかげだれば もくさん ちんたま どろだらげ…にち!」てなやつです
ま それはさておき
このさき どれだけ読めるか わからんけれども 森崎さんの 著作も たどりたいと 思うのでした
いやはや 読めば読むほど読みたいの増えるって なんだべまず…
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