剥き出されたひととき

クマガイミホ 真夏の夜の即興

第一夜 共演…重松壮一郎さんの ピアノ…一部 千田祥子さんとの 連弾即興あり…に 行ってきた

at JAZZ ME BLUES noLa

なにかを演じているわけではない

いわば 抽象の コンテンポラリーダンス…なのに

具体的な 事象が 感情が 胸の奥から 汲み上げ 引き出されてゆく

大切なものが 揺さぶられ

引き剥がされ

あったはずのものが

守っていたはずのものが 引きちぎられてゆくような…

それでも 添おうとしては 

はじかれ

失ってゆく

呆然としたのち また よみがえる…というよりも あらたに 生まれてくる 思い

生きて 営む日々のよう

絶え間なく 降り注ぎ 撫でてゆくような 
音 

律動 

互いの押し引きをわきまえた重なり…

重松さんの 音楽は あんなに 音に満ち溢れているのに 

すべてが 祝福のように 心地よくて 

光のよう

そして 余韻を残して 次へと 移り変わり
 
千田祥子さんが 加わると

音は 純水から なにかちがう…でも それもまた 心地よいものと 混ざり合う

そのうねりの 厚み やわらかさ

粉々に 砕けながら 煌めく 硝子モザイクのような 眩しさ

でもそれに 棘はなく

それらすべてが 優しい手触り

日々という 雑踏へ 踏み出しながら

必死に もがいたり こなしたりしているうちに 

その 必死が いつしかまた 動きの面白味となってゆく

意味など 壊してしまえ!

捨ててしまえ!

剥がしてしまえ!

やがて そんな 暴力的な 思いは 

纏わりつくものから 解き放たれ

呆けたような 身と心から 突き上げてくる

衝動

振動

鼓動

やがて 纏わりを 自ら 纏い

躍りが 踊りとなってゆく
 
失われたものなどなにもない

それは つぎつぎと 生まれるから

捨て去ってゆくものであったのだ

また 喜びをもって 生きていこう

そんなことを思う

おんがくだ
 
おどりだ

いのちだ

そんな 剥き出された ひととき

また 生きていこう と 多くの人が 知らず 励まされた 夜でもあったことだろう

らぶ♪だね 美帆さん

ありがとう

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