愛也さん追悼公演(ままやさん 投稿より)

本多愛也さんの追悼公演に行ってきた。

最後になってしまったカニカマに行けなかったこと。
次に行ければいいやと思ってたら次がないとか…。
嘘だろ?って、いくら思ってもどうしようもないからなあ。

きっとそんな思いの人々がいっぱい集まってるだろう。
どうしても会いたい人もいるし。

久しぶりに足を踏み入れる劇場の入口。
エレベーター降りると、目の前にはとりさんが!
きゃーん!お久しぶりーっていきなりはぐはぐ。
何年もご挨拶もせず不義理してしまってる私に、まったくまったくまったくずーーーーっと変わらぬ暖かい対応。
ああ、はとさんはとさん、すいませんほんっとすいません!

はとさんの前に来ると自分の立ち位置がよくわからなくなる。
私がはとさんのとこでマイムを習っていたのはもうずいぶん前だし
当時から体はさっぱり動かずセンスはグダグダ、発表会にも参加せず早々にドロップアウト。そのくせ調子よく先輩たちにくっついて飲み会にばっかり参加してた。
そしてすっかり現場を離れた後も一ファンとしてたまに舞台を見せていただいては、またちゃっかり打ち上げに潜り込み…なんてことを繰り返しながら、さらにパフォーマンスの世界からは遠ざかってしまった。

私が幸運にもちょっぴり覗かせてもらったパフォーマンスの世界で
愛也さんはピカイチの花形スターだった。
客席から見てるだけでどっぷり満足できて、いつも中途半端なポジションでふわふわ業界周辺をうろついていた自分も完全に観客に徹することができた。

だから、実は愛也さんとまともに話をしたことはほとんどない。
ただ、ご本人や回りの方々の気さくな雰囲気に後押しされて、一度だけ馴れ馴れしく話しかけてしまったことがある。
今回の公演でも、愛也さんとの笑!撃の出会いをブルースに乗せて語り歌った素晴らしい出し物を見せていただいたが、まさにあんな感じのファン心理。私の場合はそんな気の利いたことも言えず、もちろんその感動をパフォーマンスに昇華するなどという高尚なことも出来ず、ひたすらストレートに「愛也さん!愛也さん!もう今日すっごいよかったです!感動しちゃった!もう、マジ惚れました!みたいなことをお酒の力を借りて口走ったのだったと思う。
たしか、あの名作「白球」を観た時だっただろうか?
愛也さんはちょっと面食らったような、あの照れたような笑顔で、
「あ、ども」みたいなかんじで答えてくれたが、以前から無意味に周辺に出没してまるで常連のような態度で飲み席に居座っている女が何者かも名乗らずいきなりこんなことを言ってきてどう思っただろう?モテることには慣れていただろうけど、もうちょっとマシな接触の仕方はなかっただろうかと我ながら思う。
そして、その次の公演で顔を合わせた時、愛也さんの方から気が付いて、「あ、ども」って感じで、ちょっと頭を前に傾けて、やっぱりあのシャイな笑顔で目くばせしてくれたのだった。あ、私のこと覚えててくれたんだ。ってうれしかった。
本当に、会話らしい会話すらなく、愛也さんと個人的にほんのちょっぴり話したのはその2回だけ。

いい追悼公演だったなあ。
湿っぽくならず、いや、どうしても泣いちゃうとこはあったけど、あたたかく楽しくバカバカしく、それは愛也さんが見せてくれたパフォーマンスそのものだ。
愛也さんとの出会い、ゆかりのあった人々がいっしょにすごした時間、それぞれの思いが柔らかく投げかけられ、受け止められ、手渡され、黒子姿のはとりさんが操るバレーボールの球のように客席にまで優しく届く。
「追悼」の意味をこれほどしっくりと胸に届けられた公演があっただろうか?

そして天才マイミスト本多愛也が残した映像の数々。
目玉となった「トム」は生で観たことのある作品だ。だがあらためて、ラストシーンに流れた、Simon & Garfunkelの「The Only Living Boy In New York」はもう、彼の身体が都会の孤独そのものと化したあの飛翔のパフォーマンスを思い返すことなしには聴けないだろう。

実は今回ちゃんと予約して観に行くことを躊躇する気持ちはあった。私自身、いろいろな事情からめっきり疲れがたまってしまって、ここ数年の出来事を時系列を追って思い出すことができないほどに記憶が混乱している。
目の前の必要をこなすのにアップアップしていろんな大切な方へのご挨拶を後回しにしたため、すっかり付き合いが途絶えてしまったしまった人々は多く、こんな精神的病み上がりのような状態でうまく顔を合わせる自信がなかった。
それでも、はじめのはとりさんとのハグでずいぶん気持ちがやわらいで、静かに席に着く。
やっぱり引きで観ようと陣取った後方座席のすぐそばには音響ブースにまきちゃんの姿が…。開演直前だったので、飛びついたりはせず(笑)手を振って挨拶しただけだったが変わらぬ笑顔にほっこり。
そしてぶんぶんさんこと 森 文子 (森文子)さんとのうれしいうれしい再会。かねてより約束のブツを手渡しホッとする。

他にも思いがけずまた会えた懐かしい人や、お世話になったあの方この方。やっぱり行ってよかった。
ただ、打ち上げまでは参加しないで帰ってしまったので、話し足りなかった人もいた。
小島屋さんにもあがりえさんにも、もっとちゃんとご挨拶するべきだった。
そして、今回もしかしたら来てるかも?と思っていた数人とは会えずじまい。だったら事前に連絡しときゃーいいのに、なんだかんだとうだうだして偶然に任せてしまう。ダメなダメなほんとにダメないつまでたってもダメなワタシ…。
けど、みんなそれぞれの時間の中で生きているから。
今回会えなかった人たちとも、できたら、近いうちに、なるべく自然に、流れのままに、だけど手遅れにならないうちに!またぜひ会いたいと思う。きっと。

出演者並びに関係者のみなさま、おつかれさまでした。
いつも大事なタイミングをはずしまくっているこんなトロイわたしにまで、しっかり届いております。
心に染みる時間をありがとうございます。
そして、数々の素晴らしいパフォーマンスとともに素敵な出会いをもたらし繋いでくれた本多愛也さん、本当に本当にありがとうございました!

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