椿 幻想

あふれでる

もてあます

咲き乱れながらも

受け渡すこともできず

ほた ほた ほた と

想いを 撒き散らす

わたくし

椿

いっそ

花のかたちの 跡形もなくなるほど

踏みしだいて 越えてゆけ

おまえの その足で

土へと 還しておくれ

届かぬ叫びを 萎えさせながらも

また めぐり

咲きこぼれる 

おまえの足跡に

はなむけの 紅を

降らせる

塵なる 前に

血 滴る色に

散りて

地を 飾る

遅なる

乳なり

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