百合たちが
ひらはら と 飛ばした 薄羽のような 種
まんなかに
その日がくるまで しん と 目をとじている いのちがいる
みとれてしまう
眠れる種の美芽
はかなげな そこから
やがて 逞しき 身を たてゆく
可能性という ことばを
形に あらわしてくれる
心 崩折れそうなとき
また 何かを信じよう という思いを
よみがえらせてくれる
芽吹くときも
花咲くときも
繋ぐときも
待つときも
すべて 大きな流れのなか
その時なりで ゆくがよい
子守唄のように 耳元に触れて
また 風に乗っていった