フロントグラスに ハムシ
雨に 濡れたか
後ろ羽が 仕舞えず
走り出しても
びろびろびろびろ と 羽 なびかせて
吹き飛ばされもせず そこに居続けた
早く 乾いて 仕舞えて 飛び立てればいいのに…と 気にしいしい 運転してた
信号で止まったとき
ミクロレンズつけて
まじまじ みたらば
必死で…というよりも
前肢で 触角やら 身繕いしたり
時には 風を受け
まるで 鼻唄など 歌ってでもおるかのように そこに揺れたりもしているのだった
再び 走り出そうとするあたり
羽が 乾いたのか
しゅっ と 仕舞って
飛び立った
色々 大変なことなど あろう…なんて
人の思いなど重ねるように 映して見たりするけど
あれこれあることを 受けたり流したりしながら 鼻唄などうたって いこう と
虫の姿を 己に映してみたりする