苺忌

7月2日

母のすぐ下の「妙子ちゃん」が 幼くして亡くなった日

「いちごがたべたいよぅ」と 言って

親類縁者お手伝いさんご近所さん 総出で 探し回って

奇跡的に 亘理の方の農家さんとこにあって

届けてもらって

食べてすぐに 逝ってしまったのだ という話

幼い頃から ずっと お伽噺のように 聞かされていた

今よりもっと 蒸し暑くはなかったろう 80年近く前

しかし 車を持ってる人も そうそういなかったであろう

電話だって 各家庭に 普及してなかったであろう

伝達方法も もっと 時間かかったであろう 口伝え…

そんな時代の7月に苺を見つけるなんて

まさに 奇跡だ

うちのもしゃもしゃ 藪くまなく探しても

もう 苺は 葉っぱ青々しかなかった

供養の 苺は

近くの コンビニエンスストアにて

苺の 菓子類を 買うだけにした

チョコレート マシュマロ そして 苺かき氷

ばあちゃんが 夏場に 冷凍庫いっぱいに 苺かき氷 ストックしてたっけなぁ

それはもしかしたら 単なる ひゃっこいもの好きなだけではなく

「妙子ちゃん」のことを 思ったりしていたのかもしれないなぁ

そんなこと しみじみ 思いつつ 食べた

苺忌 とでも 呼ぼうか

便乗して 苺を楽しんでるだけみたいだけどね

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