「えのはな」ご飯~たいっつぁんのこと~

一昨日 知り合いの「たいっつぁん」が 亡くなった事を 知った。
事情あって もう何年も 音信普通になっていた。
「えのはな」と 呼ばれているきのこを 毎年 沢山採っては 持って来て下さっていた。
家では特に 亡くなったじいちゃんと私の大好物で
これ食えたらほかになにもいらないねえ・・・と 腹はちきれるほど 食べた至福の時。
「えのはな」がどこに生えているか 誰にも教えず、ひたすら 「睦郎さん(うちのじいちゃん)の喜ぶ顔みたいから」と 採ったきのこを ほとんど全部 うちに持ってきてくださってたらしい。
たいっつぁんが 音沙汰なくなってからは 「えのはな」と 会うこともなくなった。
どうも高級なきのことして 扱われているらしい。
親戚の料亭で「えのはなごはん」として出したものを ちょいと おすそ分けもらったことあったけど、紙のように薄~くて それっぽいものは 入ってたけど、こんなんぜんぜん「えのはなぢゃないい!」と むくれるわたくし。
たいっつぁんの 持ってきてくれた「えのはな」を 惜しげもなく入れて ばあちゃんが炊いてくれた「えのはなぶかし」
黒くて じゃぐじゃぐと歯ごたえのある 「えのはな」が入った あれでなくちゃやだ。
洗濯物を干していて ふと見ると、昨日わたくしが使った手ぬぐいが
偶然にも たいっつぁんが 昔やっていた「天野毛糸屋」のものだった。
豊かな味の思い出をありがとう、どうか安らかに。 

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