愛などいうことば
おくびにも出さず
逃げ道も 安全圏も 確保している
責任など発生させるつもりもなくて
それでいて 網膜にほかのものが入り込まぬ瞬間の吸引力を 知っている その まなざしを まっすぐに向けてきて
向けられた 想いに つけこんで
その威力を発揮する
ずるい
そんな ずるさ そ知らぬふりして
ここには 愛があるよ
便乗すればいいよ と
寛容なふりなどして
もっとずるいのかもしれない
自尊心踏みにじりの 傷が ぐしぐじと 癒えぬのを
自己愛の 鎧で 身重にして
同じ轍で 躓く
愛を嘯く 天罰
取り返しなどつけない
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