薔薇に寄せて

思いはあるのに 

よりよく ことばにつなげよう という 思いの向きは 

ほとんど 持ち合わせていなくて

どうしてそんなことばを選ぶのさ!?と

問うても

他意などなく

もしや ことばに対する 共通理解や 

抱くイメージも 全く違うものかも知れなくて

異文化の人なのか!?などと 訝ったり…

なのに 手のひらが

指先が 

雄弁に 愛をか

なにをか 語りそうに 

甘く 重ねられ 撫でられたりもして

とろけそうになった 次の瞬間に

すべてが 台無しになるような ことばを吐いたりする人がいる

一方

欲しかったのは その手触り 温かみ 

…と 思わせてくれて

時には なんてことない ことばに

思いもかけぬ きらめきを 帯びさせるような 

選び方 光のあてかたをして

目の前が 滲んで 霞むほどの

夢見心地を くれるのに

美しくしなやかな その手のひらも 指先も

おもいを伝えることや 愛することを 学ばずに

むしろ 侵略者のそれのように

身のうちへの 立ち入りを 許さず ひたすら 己を守るために 

攻撃的に 相手のことなど お構いなしに 痛めつけ

這い回るだけの人もいる

ことばも 行動も すべてかねそなえた 完璧な人 なんて

うっとりしすぎちゃって

ほかのものはなにもほしくなくなっちゃったりするから

社会生活を 送れなくなっちゃうかもね

だから どこぞか 欠けているほうが

その人だけに かかずらわってしまわなくていいよね なんて 慰めてみるも

なんで この アンバランスなのか などと 腹立たしくもなり

でもそれは その人そのものを受け止めてるわけではなく

己の 好みを 相手方に 体現してもらおうとしてるだけではないか

そんなこんな思いながら

その人のなかで

何が 花のようで

何が 棘のようなものであるのか

それぞれなのよねぇ なんてなことを

思い巡らせながら

どんなバランスも その人なりで まぁ よしとしよう とか

寛大なのか

不埒なのか

埒もないことを

飲み下して 眠ろうと思う

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