あと一曲 練習したら 昼御飯の準備だな…と
己の中の 締めに 差し掛かり
曲も 盛り上がりのあたり
やおら がらっ!と 戸が開いて
「ほらっ おかさん うんこだどっ!」と 父
おい 状況読めよ てめえがやってくれよ…と 胸のなか 悪態爆発
その瞬間から ピアノの音が
粉々ギザギザに割れた 硝子破片みたいに荒れるのが あからさま
ひいいいぃ!
そうなんだ ピアノとの 向き合いのときに
牙を剥くような思い
よく 露見して 怖いんだ 疲れちゃうんだ
とりあえず 最後の音まで たどり着こう と
何度も 呼ぶ声 やり過ごし
しばし 待たせる
ちちはは やべぇ…触らぬ神に祟りなし的 雰囲気も 滲ませながら
ピアノの部屋から出て来たわたくしを ちら と 見る
「すまん…」と わたくしの 口調真似して 母呟く(「ごめんね」禁止と 何度か言ってるもんで…)
また そんな気持ちにさせてしまったな と
うなだれる心持ち ぎっ と 踏んづけて
母が謝ることじゃないっ と 突っぱねる
昼御飯準備始めるきっかけにもなったわけだし…
そういいつつも なんだか 一挙手一投足 雑雑に荒いまんま
いかんいかん
めでたい気持ちになる 赤大根など 浅漬けにして
美味しく食べて 笑おう
そんな風なこと思い付いて 切り替えろ!
そんなこんなな 雨の日