季節外れの 桜のはなし

今日の朝日新聞に 吉田秀和氏の 観桜記があった。
季節外れだけど 桜に思い巡らす。
ず~と前、まだ 河合音楽教室の仕事をしていた頃、白石支店の方々や講師の先生と
一目千本桜で有名な 船岡公園に 花見に行った。
それまでも 花見もしたことがあったし、桜も そこそこ好きな花・・・て程度で 
格別な思い入れもなかった。
 午後仕事のある先生たちばかりだったので、お茶程度のものだけ持って 行ったのだと思う。
川沿いの土手もさくら 公園への上り坂もさくら 広場もさくら ローブウェイみたいなのの周りもさくら てっぺんに着いたら眼下もさくら・・・まみれました。
すると、気持ちの奥の 緩やかな起伏というか 波のようなものが
ふるふるふるふる・・・と漣のようになってきて 頭にもわわわんと 薄もやがかかったようになって、顔がほてってきた。
酔っ払った時に似てる感じ。
んでもって 人生もうなんとでもなりますわなあ~!みたいに 楽しく緩んだ気持ちになって うわははははは~とか 笑いをこらえなくなってしまった。
一緒にいた人たちが「なんだ 森先生、隠れて一人でお酒飲んだなぁ!」なんて言い出す始末。
あれが 花に酔う・・・て状態だったんでしょうな。
その後は「また酔いたい」なんて スケベ心で 観に行っちゃったりしたせいか、あの時ほどの気持ちよさには ならなかった。
しばらくして 友人の結婚式の 会場で 
どうにも目が離せない 素敵な雰囲気の方がいて
その方を見ていると 木の幹を 思い浮かべてしまったりして
「何でそんなこと思っちゃうのかな自分?」と 妙な気持ちになったので
思わず 声をかけてみた。
その方は 確か さとうつねおさん とおっしゃる 主に桜の木を撮っている プロカメラマンさんだった。
一目千本桜も 撮りに行きましたよ・・・てんで、桜に酔ったみたいになった話を おそるおそるすると こともなげに「ああ、桜はそういう力 一番強いかもしれませんねえ。よく 幼い子が 踊りだしたりしますからね」とのたまった。
桜酔いのはなしは 相手によっては 気味悪がられたり スピリチュアル好きに妙なうっとり目で見られたりするので 気をつけて話してたのだけど、つねおさんのしわの刻まれた 木の精のような優しい目で 当たり前のように言われて 特別気負う話でもないや・・・と 楽になった。
桜に限らず、時々 いろんな木に会いに行く。
魔法のような力をもらえるわけではないけれど・・・

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