最近は　鈍くなったけど、昔　聴覚と共に嗅覚もやたら鋭かった気がする。
あまりいろいろ匂うんで、息を吸うとき　匂いを感じないように吸っていた。
よくわからないけど、今も　ただ息を吸うのと　匂いをかぐときの吸い方は　若干違う。
二年位前、心身ともにちょいとぐったりしていた初夏
乗った電車が　真新しくて　合成樹脂のような匂いが　半ば暴力的に鼻から入ってきた。
始めのうち「なんか臭い」程度だったのに、どんどん血の気が引いていき　冷や汗が出てきて　指先が冷たくなって震えてきた。
それまでなかったことで　どうしていいかわからず、てぬぐいを鼻と口に当てたり、持っていた「オリエンタルローズ」のアロマオイルを　気付けのように嗅いだりして・・・ちょっとは落ち着いたものの、吐き気までもよおしてきた。
途中下車しようにも、本数少ない時間帯だし　約束はあるし　泣きたい気持ちになった時、隣に　おぢさんが座った。
あぶらぎっしゅな　加齢臭発しまくりの　そのおぢさんの香が　ふと鼻腔に達した瞬間　なんと身体の血の気がみるみる　戻ってきた。そりゃもう　劇的なほど。
続いて、部活帰りの中高生男子が　汗まみれな匂いと　色気づいてスプレーした制汗剤のまざった　普段ならむちゃくちゃと感じる匂いまといながら　どかどか乗ってきたら　更に震えも止まったりして・・・。
ビバ！加齢臭＆生き物の匂い！
思わず　窓の外を見るふりして、おぢさんのうなじあたりに漂う匂いを　ずぞ～っと吸いましたわたくし。
いつも吸いたい・・・てわけぢゃないけんど、生きてる匂いっていいなあと思う。
めげるな　おぢさんたち！・・・あ、でもほどほどに清潔にはしてほしいけど・・・