朝から ぴーっ!

昨夜 床に入り

仰向いて

あぁ この介護ベッドを 見上げるのも 見納めだな なんて思ったら

また 泣けてきて

そのベッドは 父でもなんでもないのに

なんでここでかなしくなるんだろうかねぇ と 独り言ち

涙がやってくるのは 眼の前のものを ただ見るのでなく

そこにまつわるあれやらこれやらそれやらを 浮かべて

今ここにない を 見てしまうからだろうかね

想像力めぇ スイッチ入れやがって…

泣いたほうがいい?

いや

あえて泣かなくていい

返却前の まだ入ってる 酸素ボンベを

手を付けてなかった カニューラ開けて

父の リットル数で 吸ってみる

…ほぼ出てるか出てないか わからないくらいだ

1リットルだもんね

少し上げてみたけど

ダカラトイッテ どうってことない

乱暴に 装着すると 鼻の入り口にあたって かからしい

それで 眉ひそめてたんだろうな

かつての 乱暴さ ごめんよぅ なんて 今更 謝る気持ち…でもどこへも届けられない よるべなさ

いやいや そこいらじゅうに満ちててくれてるはずだから…と

四方八方ぐるりと みまわして も一回

すまなんだす なんて 言ってみる

満ちてるなら

言わんでも 見てるか

ならば 粛々と やれること やらねばならぬこと やってくさ

朝 そこそこ早起きして

返却する ベッド周り

少し 拭いたりする

辻辻に 多分 牛太郎(去勢済 十五歳)の マーキング的しっこ跡あり

…とほほ

拭いてるとこへ

みみげながながちゃん(避妊済 2歳)が すずめっこさんをくわえて やってきて

さばちょび(去勢済 3歳)が おれもおれもおれも〜♪と わっちゃわちゃ

羽毛が 舞い散るではないかっ!

拭いたり掃いたりして

少し 座って休もうとしたとこ

眼の前に

過去の 怠け者わたくしから 託された 手続き書類の数々

母の銀行印探しや

今日やらねばならない その他のあれこれ思い浮かべたら

さらに 沸騰蒸気機関車みたいな気持ちになっちまい

ぴ〜っ!と 噴射手振りとともに 声を上げてみた

目の前におった あんちゃ 無言で 見返すのみ

いつものこと…て 感じか?

しかし その後 

「まぁまぁ 飴でも」と ポケットから

切り替えスイッチ ありがとよぅ

ひとつ ひとつ

なんとかかんとか

やれるとも

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