はんこ

そっと 触れた

その証の 模様が

いっとき 手の甲に 色を 留め

すぐ 消えた

まるで 秘密の 暗号のよう

あの日

秘め事みたいな 想いを交わした人

初めて 触れてくれたのは 

こめかみだったか?

もうそんな 指あとも 

想いも

名残など 留めてもいないのに

鮮やかに その色は 思い出されるのだよ

通りすがりの 車のヘッドライトに 浮かび上がった

暗闇の中の 一瞬の 目の光

はんこちょう

あの日の 幻

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