虫に暮れ

虫に暮れ

草に暮れ

迷ったままの森に棲む

緑のまぶたを閉じて 見ていたものは

夢なのか

うつつなのか

真夏の夜に 囁く声は

遥か昔に ひとつだった かたわれ 

からだとこころの 在りかが

離れていても

呼び合えるのなら

それもひとつの生きるみち

嘆くことでもない

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