蕾を抱く

去年の 夏のあたりかな?

退院した 母の 心持ち

沈まぬように と

道端の くまつづらを 摘んで

飯台に 飾ったのだった

花は 散っても

葉っぱが ずっと あおあおで

そのまんま 活け続け

冬を越えて

ふとみたら 根っこが 生えてた

暖かくなった頃

移した 植木鉢に

根付いてくれて

緑のままに 押し黙っていたのが

先日 花を咲かせてくれた

この なんとも言えぬ やさしげな色

どこから来てくれたのだろうね

水のなか?

光から?

土?

風?

それらすべてから

何をかもらって

ここに 集約されるのかね?

もしや わたくしも

あれやら これやら いただいて

美しいものを 集約させて 咲かせられたらよいのになぁ

なんてなことを

蕾のように いだいてみたりする

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