めそめそする

母 デイサービス 出掛け

父と二人の 昼御飯

食後 ふと 父が「おかさんと 二人でいっと たまんねぇんだ…ぴっちのことで めそめそすっから 二人で 駄目になるようなんだ」と 漏らした

帰ってこないという 翌朝から「どこで 死んでるんだべ」なんてな 乱暴な物言いをして

余計に 母を泣かせたりもして

腹立たしく思いつつも それが父なりの 己を 慰め 諦めさせる 方法とは 感じていたけど…

二人でいるからこそ いいこともあるさ

どっちかが めそめそすると つい気丈なこといって 自分を保ったりもして それで 互いに慰めになったりもするもんだ

わたくしだって こんな 知った風な口 聞くけど 一人になると ぐだぐだで

昨日だって 人に会う 寸前まで 涙鼻水 止める方法が 見つけられなかったんだよ

何て言ってみる

わたくしが こっそり 立ち入った ほぼ 留守の おとなりさんの 庭や 物置辺り…父も覗きに行ってたのだと…

「どごさいったんだべなぁ ほんなに 遠くさ 行がんねはずだがら うちのなかか 周りなんでねぇがど 思って 見でるんだげんとも…」

そんなこと言って ため息ついてた

今帰ってきたら 誉めてやるぜっ!とか 言い放ち

父に背中向けて 珈琲のための お湯を沸かす

湯気やら何やら 噴き出して

目の前が曇った

音のないような 珈琲時間 ふたりで過ごしたのち

開けっぱなしが嫌いなはずの 茶の間の 硝子戸を

開けっ放して 昼寝などする父

傍らには かつて 父が撮った 若い頃の ぴちの写真

「やっしゃねぇ」思い 父娘で 転がしあって

なぁ また 弱音 吐こうや と 思う

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