生まれたものは

うまれたものは
そだって
生きるのだ
まえへ
まえへ
まえへ
ひたすら いきればよいのだ
意味なんか 考えるから疲れるのだ
疲れたときは
命の営みの 声だけに 耳を傾ける
意思の力なんか及ばない
鼓動の力強さよ
細胞一つ一つが
休むことなく 息づいて 訴える
いきるいきるいきるいきるいきる
ひりひりと 剥かれた表皮が
てらりと 光りながら 体液を寄せて
やがて 傷を塞いでいく
己の意思が信じられぬのなら
意思を封じて
生命力に委ねてみる
胸のうちの ひりひりした傷口を
体液のぬめりに 浸すように
目を閉じる
再生の詩が 聴こえてくるまで

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