80年来の仲良し

先日

約80年 仲好し

いまだに お誕生会を 共にやっていた

父の 同級生お友だち

亡くなった

父のことを ずっと「ふ~にゃん」と 呼んでて 

父が 手術したとき 真っ先に お見舞いに来てくれて

来るなり「お巡りの 野郎がよぉ…」なんて 

来る道々 シートベルトをしないできたことで 呼び止められたことを ぼやいて

日常会話で「お巡り」なんて ことばを使う人って いるんだねぇ と

笑わせてくれたりしたんだった(本人は いたって真面目に 怒ってたのだけど…)

釣具やさんをやってて

釣り船も持ってて

でも それは 相馬港に あって

震災後 船が出せなくて

釣り客も 減って

気落ちしたまんま

すこぅしずつ 出歩かなくなってしまったようだった

道も わからなくなったりもして

車の運転もやめて…と

そんな話を聞くたび

父も うなだれつつも

「しっかりしねぇと だめだべ 同い年なんだぞ 俺だって 何回も手術しても なんとかやってんだぞ」なんて 激励してたんだ

昨日 わたくし ことほぎの 現場から帰ると

少し 疲れたような顔で「帰ってきて 安心したよ」と 父

「お疲れさまな顔だね」と 言ったら

「だって 80年近く 一緒だった 友達 いねぐなったんだ…だんだん いねぐなるんだぉん がっかりもするさ…おれも いろいろ じゅんびしなくてわがんね て 考えだりしたんだ」と

いま よたよたでも なんとか 元気でこうして いられるから 一緒に ご飯食べられるから…それほ よろこぼうか…なんて

慰めにもなんにもならない話ししてみたり…

熊谷守一さん 娘 榧さんの本『モリはモリ、カヤはカヤ』に

「お巡り」という 言葉が出てきて

あの日 病室に来てくれた いたずらっ子みたいな 南部さんの顔を 思い出した

そして 先日あった 同級生かとちゃんの「今の なんつうごどねぇ 幸せば 噛み締めんのやぁ 毎日」と にこにこいってた顔を 思い出し

うんうんそうだね と 頷いたりする

コメントをどうぞ