泣くしかない ありがたさ

公演 一日目が終わり

明日もよろしくお願いします解散…の ご挨拶の後

照明の 亜希さんから「ちょっと 提案が…」と 呼び掛けていただいた

それは パントマイム作品『傷』についてだった

わたくしの 演目の 二つ目として やらせていただいたのだけれど

一つ目が ちょいと シュール寄りの『恋占い』

ふざけた感じで 笑っていただいたりもした…ということもあるからか

『傷』は かなり抽象化してはいたけれど

己の 抱えてきたものを 重ねた かなり 重たい内容なのに

わたくし 登場しただけで また なんかやらかしてくれるか?と いった感じで

シリアスな場面でも 笑いが起きた

まぁ そういうこともあるよね…と

わたくしの中では 人それぞれ反応違うよなぁ くらいの感想でいたけど

「普段 お客様が 何をどう受け取ろうと それは自由なのだから 何も言わない でも 本当にそこにあるものを見て 受け取って 反応したのではなくて 愉快な あやこさんのイメージだけで 笑いが起きて 悔しかった…もっと 深くて すごいことが そこで起こっているのに 届けきれなかったもどかしさ…明日は どうしてもそこを ちゃんと伝えたいから 照明プランを もっと 重たく暗いものから移り変わって行くものに 変えさせてほしいんです」というような ことだった

「そんなこともあるよね…なんて 諦めたくないんです」とまで 言ってくださる

音響の本儀せんせいも

舞台監督こうさんも

テーマの 核を しっかりと 感じてくださっていて

より 重く 厚みを加えてゆくことを もっと 思いきりやった方がよい と 口々に 言ってくださった

実は そのあたり 躊躇っていたことでもあった

舞台に乗りながら

舞台にのせて良かったのだろうか…なんて

今更何をいう!?な 話なのだけど

光に繋げたい とか言っといて

でも 己の重たさを こんなとこで ぐだぐだやらかしても…なんてね

でも 闇であった部分の重さから逃げたら

光への 展開の 道筋さえ 軽々しくなってゆきはしないか?

伝えたかったものは 光だけでなく

闇から光へと 抜けてゆけるよ と

道のりも まるごとの ものがたりではないか?

逃げ腰になっちゃいかん

生み出した作品 隅々まで いきいきと 息づかせんで どうする!?

今までをすべて味方につけて注ぎ込む思い 忘れたか!?

猛反省と同時に

そこまで 思い 汲み取って掬い上げて ともに そこを生きようとしてくださることに 震えるほど 心強く うれしかった

過去の自分まで 遡って 救われたような思い

なんて しあわせものなんだかっ♪

帰りの 車で ふっ と そのうれしさが よみがえり

前が見えぬほど どわっ と 涙が 溢れたりもして

あぶねぇっ!と

途中で 停車して 平常心取り戻してから また 帰路に ついた

改めて 作品を ちゃんと 生きよう と 噛み締めた

そして 翌日

少し早めに 着いたところで

亜希さんから 変更プランの説明

本儀せんせいが 舞台で わたくしの 概ねの動きを してくださり

あかりが 注がれる

こうさんが 厚みについて アドバイスを くださる

あぁ

なんて あたたかいんだ このかたたちはっ!

また 泣いた

この作品 という 一点のことなのだけど

そこへ 注いでくださる思いが

じわじわっと 同心円にひろがり

生きてきたことまですべて まあるく 撫でていただいたような 全肯定感

誰もそこまで肯定してねぇって!と 自分を 茶化して 笑おうとしたけど

やっぱり笑いながら 涙が止まらなかった

本儀せんせいの 演技が素晴らしくてっ♪なんて ふざけながら 鼻水まで 出ちゃって あぁもぉ みっともないったら!…ま それはいつものことだが

そんなこんな またもや 心の恩人の方々に 巡り会えた 幸せなど おしいただきつつ

一日目とは 大分違う 重みと 実感をもって やらせていただいたのでした

ありがたい

おかげさまで…という思い

わたくしの「傷」のことは

母も 責任を感じながら 長年抱えてきたものがあって

最近 傷の原因になった…といえなくもない お医者の 今のことに触れて

母のなかでも 少し 変化したことがあって

改めてまた ことばにもして行こうとは思っていたのだけれど

長い時間かかったとしても 救いの光はあるはずだよ てこと

諦めずにいたい

いてほしい

そんなことも 改めて 思うのでした

ずっと 愛せなかった「傷」の お陰で 得られたことは 大きい

それも おかげさまで て 思ってる

それあってこその 今なんだもん

人生 遡ってまで 救われたような思いにさえ なったのでした

最敬礼

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