透明になれるかな?

台所窓辺しげしげさんたちを見ながら

歯を磨いていた

以前 咲いた 赤蕪菜の 花の 黄色い花びらが

窓にくっついて

そのまんま 花びらだけ そこに留まって

いつしか 黄色が 抜けて

今では 透明な 花びらになっていた

あぁ 黄色は 光に 還っていったのかなぁ なんてなことを ぼんやり 考えていたら

ふわり と 浮かぶような 揺れるような…

いや

ような じゃなくて 揺れてるんだ

地震かなぁ と 思いながら 口ゆすいで

振り返ると

あんちゃが「今 僕のも かあちゃんのも あやちゃんのも…みんなの携帯から 緊急速報の音鳴って 久々でビックリして!」と

なんだか 慌てたように 言った

「…もしかして 聴こえてなかった?」

うん

「地震もわかんなかった?」

いや 揺れてるけど 地震かなぁ?ては 思ったよ

「平和でいいね」と にやにや笑いながら

テレビで速報見に 茶の間に行ってしまった

平和でいいのかなぁ?

昔はもっと いろんなことに 敏感で

敏感すぎて 生きづらくて

自家中毒…と 言われてたけど

今の これ…自己防衛の 鈍磨ぼんやりなのかもしれない

今でも 手に負えない 鋭敏すぎるところが残っているのもわかっている

蓋をしている

蓋が開かなくなってきている

それでいいと思う反面

いきなり剥き出しになることもありうると すこぅし 警戒している

そんなことにまで 思いが巡り

まぁ まず 身構え気張りすぎるな と

ゆるゆると からだゆるめてゆらして

深呼吸

いつか そんな思いもこんな思いも 光に 還して

透明になれるかなぁ

昨日の夜 たいた あんこ…パンに乗っけて 食べよう

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