高級エステで いやされろ

本日の母

ここ数日の ちみっと下向き加減 MAX

さっぱりよくなんねぇ の

迷惑ばっかりかけてる の

痛みとれない の

動かねぇ の

以前「どん底まで 落ち込んだから あとはあがるだけ」なんて かっこつけていってましたけど

こぼし具合や 声の色合いをみると

なんとなく まだ 言葉だけの感じでもありましたもんで

こんな風にまた ゆれるの 

覚悟はしておりましたさ

わたくしだって ぐだぐだに揺れる性格だもの 

なんとなく わかんのさ

保育仕事のあと 

舞台衣裳検討のため すこぅし 遅めに 帰ったのだけど

わたくしも ちょいと 疲れ顔してたからか

いつもの「疲れてっとこ 悪ぃげんとも マッサージおねがい」の 声もなく

父の助太刀で 部屋に引っ込んで 

ほどなくして ひんひんひ~ん と(馬か!?)泣き出したようす

わたくしそのとき 茶の間にて もそもそ ご飯食べてたのですが

耳の良いあんちゃ「かぁちゃん ひんひん泣いてるよ…」とな

あんちゃ…聴こえたんなら 困り顔するだけでなくてなんかさ…と 言ったものの

「いや…だってそりゃそんなの 困るでしょ」と 言ったきり 困り顔のまんま

むむむ

すぐ出動せず 様子うかがい 

食後 部屋を覗いたら まだ ひんひんしてまして

マッサージしながら 話す

たかだか 倒れてから 七ヶ月しか経ってなくて

いなくなっちゃうかもしれないのに 生還してきて そんだけでもめっけもんなのに しかも半分動くくせに 父なんか 抗がん剤の副作用手足のしびれと 五年も付き合ってるし 何を焦ってるのかこの母上はよぉ…

迷惑とか言うけど いままで さんざん わしらが母にかけてきた迷惑から考えたら こんなもんハナクソみてぇなもんだし むしろ いろんな新しいこと面白がってやってるんだからね

むしろ いままでの わしらの迷惑の数々が 母の病気を作り上げたのかもしれないのだよね

すまぬよ まだまだ泣くとこぢゃねぇよ

大いばりで 十年くらいかけても良いから 気長に諦めずに期待しすぎずにめげずに…いや欲張りすぎだな

たまにめげても良いから のったりのったりと いのちのありがたさ 撫でながら やっていこうよ

…なんてな

わたくしとて 言葉ほどの 気丈さなんか持ち合わせてないのですけど

いつかみた 西部劇の主人公みたいに 勇ましく 気丈な言葉を ひゅんひゅんひゅんっ!と 振り回して

遥かな 先へと 放り投げてみる

そこへ繋がる 綱なのか か細い糸なのか…

いずれにしても 望み 放すつもりはない

そんなこと言ったり 思ったりしながら

マッサージ終わる頃

母も少し落ち着いてきた

あれ頼むこれ頼む の 母姫気分も 復活したり

「あやこの高級エステだね」

ラ・カスタの オーガニックマッサージオイルですわよ奥様♪などと 与太とばしたりもして

まぁ なんとか そんなこんな お湿りも たまにはよかろ

コメントをどうぞ