花を受けながら

花がふってくるとおもう

花がふってくるとおもう…と

八木重吉さんの 言葉を思い出していた

くるくる回りながら 降ってきた 花

このてのひらに 受けとれず

でも 肩を ぽん と 打つように 弾んで

ぢびたに落ちたのを

潰さぬように 拾い上げた

そうだ 帰りに もすこし 拾っていこう

回りながら降る花を 受けながら

帰り道 勝山公園で

桜の花落ちを いくつか 拾った 

小寒く 薄暗くなってきたので 

もうそろそろ おしまいだな と

立ち上がって

仕事の ことでも おしまいを覚悟せねばならんことなど 

うっすらとした さびしさとともに 思い浮かべた

すると そこに ぱたぱたぱたっ と 足音がして

「リトミックせんせっ」と 目の前に飛び出してきた

先月末で おしまいになった 二十数年 関わらせてもらってた「こどもの家エミール」さんの リトミック時間に いたった 女の子

「ね~♪ひざてって~♪ひざてって~♪って したよね♪」と 

始まりの挨拶あたりにやってた 導入の 三拍子リズムを やりだした

んでもって「おかあさ~ん リトミックせんせだよっ ひざてって~♪したんだよ♪」て 大声で ちょ と はなれたところにいた お母さんを呼んだ

「あ~ お世話になってました なんか すごく楽しかったみたいで…こんど もう 小学校に 入学なんです」て 

ご挨拶してくださった

その間中「ひざてって~♪ひざてって~♪」て 踊るように リズムとってた

そんなに そこ 楽しかったのか…

あぁ なんか それまでの うっすら さびしい気分が

すぅ と どこかに 消えていった

あっ そこの YWCAて とこで ピアノやってるから もしかしたら また ここら辺で会えるかもしれないね なんて

不確かなこと言いながら

そういや エミールさんで 締めの挨拶も「また会えるはずだから さよなら じゃなくて いつもみたいに『まったね~♪』にしよう」なんて 言ったこと 思い出した

うん おしまいじゃなくて もすこし がんばれる てな 思い

ふわり と おりてきた

ありがとう 背中押してくれたね

本人は 気づいてないんだろうけどな

またね~♪て 手をふったら

手を振るかわりに「ひざてって~♪ひざてって~♪」て してくれた

じわじわ~ん と あったかいもの にじんできた

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