紅を握る

先日 水につけといた 紅花の花びらの水
抜け出た お日様色も もったいないなぁ と
絹を浸しておいた
そのあと なんだか ぱたぱたと 忙しく
ついつい 放置
んで さっき あげてみたら
黄色だけでなく 紅も布に 移っていた
無作為に 斑…好きかも
きちんと染めるには 定着だの媒染だののための 薬品がありましょうが
はなっから きちんとやろうとしてたわけではないので
むしろうっかり 染まっちまった 古の
なんも知らん人たちの 隣に しゃがみこんで
ねねね なんか よいねこれ…と 話し込むような気分で
やってみる
木の灰の かわりに 香を焚いたあとの灰汁など はたはたと ふりかけて
なるようになれ…だなんて
まるで 己の心持ちだわな
手のひらのなかで きゅう と 紅を 握って
ちょっと 切ないのは
なんだ?

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