じゃあね と 手を振ったはずなのに
離れていた時間なんて なかったみたいに
ほんの 一瞬の 風みたいに
わたくしにしかわからぬ 符丁を
耳もとから 頬のあたりに
転がして
気づけば あの日 埋めたものが
芽をだしている
摘み取ることもできずに
呆然と眺めいて
いっそ 伸び放題にしてしまえ と
あの草むらに 還る
野の草のものとして
野放図を 描けと
誘い 惑わされるがままに
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