何かを 見ているときは いいんだ
でも その 何かが なくなって
さて と 互いを見ようとしたとたんに
そぐわなくて
ちぐはぐで
こすれて
すれ違って
あぁ と ため息など 吐いて
離れて
でもまた 近寄って
何事もなかった風に 何事かを また 見たりもして…
受け取りかたも 手渡しかたも
そもそも すべての かたちも 速度も 温度も違うのだよね
こすれて 擦り傷など 作りながらも
ほんのわずかの そぐう瞬間を
たから探しのようにして
それが まるで たからものみたいになったりもして
勘違いなのか
そういうものなのか…
おんなじものを見ても
そこにいたい 長さも
感じ入る 手触りも 違うまんま
一人の時間の 気が済んだら
気を 澄ませて
気を 合わせる
互いに 求めるのは
そぐうところだけにして
また 添ったり
こすれたり…
あぁ あたりいちめん 梅の空気だねぇ
そんな 他愛もないこと言って
おんなじように 目を閉じて
違うまんま
あるいてゆく