なんだか 湿った心持ちになりかかり
沼辺へ しゃがむ
ため息すべて 吐いてしまえたら…なんて
くよくよめそめそ
空気が動いて 顔をあげたら
鳥たちが ずいずいずいずい と
集まってきてた
目が合う
もうひとため息 ついたら
おめ…そんなん 食えねぇもんしか ねぇんかよ ちぇっ とばかりに
視線をはずされた
おおきいのもちいさいのも
あぁ だめだだめだこいつ てな感じで
気持ちいいくらいに 遠ざかってゆく
駄目だと思われたくないなら
食えるもん 出せってことだよな
美味しいパンは あるんだけれど
そこではない 胸の奥の とある 点 点に
合点がいった
わかったよ
食えるもん…受け取ってもらえるもん 捻り出すよ と
立ち上がった
一羽 白鳥が 振り向く
すまんね ありがとよ と 手を振る
くぽ~ぅ♪なんて
おもちゃの 汽笛みたいに 一鳴きして また 遠ざかった
近づくために
また 遠くへいってみるよ