手のひらにおさまる実だった 胡桃
八年くらい?で
もう 指が 回らぬほどの 大きさ太さになったとさ
梢には もう 届かない
そこにあるのに 遥かなところへ いってしまうようで…
でも また 手のひらにおさまる実 届けられ
そこから 始まったことを 思い出す
見えない あなたの指先が そっと 手渡してくれたのは
ささやか から はるか に 繋がる めぐりの 環
違うけれど 相似形の いのちの めぐりあわせ
あぁ 手のなかに 遥か
彼方に 此方
月面宙返りでもしたような 心持ちの 昼下がり