急ぐこともないのだが
あまり のろのろしてもな と
いつもよりは 寝坊の母の 起床介助と
父の経管栄養と
同時進行のようにしてしまうから
気持ち とてぱた してしまう
しかも 経管栄養装着したとこで うんこさん発見
漏れ寸前!
おいおいおい お襁褓テープは はずさんでくれって言ったろうがぁ!
言っても「?」になるから 言わずに 外れてるのをみつけたらとめなおすてことにしよう…て 思ってたのに
噴出してしまう 苛立ち
ぐおおおおぉ!うんこめええぇ おれのこころもちがうんこだこのやろおおぉ!!と 叫んでみる
父 ねむねむで とろり と 目を開けつつ 次第に 困惑の 眉間
寒いとか いづいとか わかんねぇこと叫んでる娘がおるとか
…まぁ そんなとこでしょか
経管栄養 一旦外した後
母の朝食に がしゃがしゃと 薬 歯磨き 日誌も揃えて
お襁褓替え準備
慌てて 素手で うんこさんに 触れて また叫ぶ
洗えばいいとはいえええぇくっそううまくできねぇじぶんのばかやろおおおお!!
知らない人が聞いたら 心配するでしょうね 森さんち大丈夫なのかしら…てね
早いうちに出てよかったねどさくさしてすまんね改めまして栄養補給ぢゃ…と
気持ち取り直して ゆっくり低い声で 言ってみる
困惑の眉間が すう と 緩んで
目を閉じた 父
ひとつの出来事だけ 切り取ってみると
騒ぐような話ではないのだ
よかったね て 言えることばかりなのだ
そこへ至るまでの 積みに積んだ 己の 負の感情が
物事を 荒立ててしまってるだけなのだ
負は 引きずるな
断ち切れ
積み重ねてきたからこその 学びは そのまま活かしてゆけ
そんなことを改めて 思って
空を吸い込むようにして もやもやを吐き出す
そらの
からっぽの
何色でもない清々しさが
そのうちまた 淀むであろうが
また 入れ替えていこう
さぁて 洗濯すっかな