じいちゃん命日
二月末まで 水道は 止められておる
雪混じりの風
しかし 西洋蒲公英は 咲いていた
濡らした雑巾を持ってきて よかった
なかなかこられなくて すまぬ とか
なかなか やさしくできなくて すまぬ とか
あれとか これとか ぶつぶつ一人呟きながら
墓石 拭いたり
墓石周り 草 抜いたり
じいちゃんの好きな あんこ餅 作ったんだよ~ て 供えて
なかなか 火が 点かない線香と 格闘して
鼻水やら 涙が出る頃に
どうにか 火がついて
うん がんばるよ なんて
なんだか 転じる心持ち
雲が流れてゆく 空 仰ぎながら
帰ろう