救われた思い出と

帰り道

裏道的なとこ

昔…と言えるほど 以前は 大抵ここばかり歩いていて

そこにある「Count」という ジャズ喫茶に よく行ってた

SONNY CRISSとか

今でも カンフル剤みたいに 聴く 音楽のいくつかは

ここで 出会いをいただいたのだったよなぁ

三十年くらい前

カワイ音楽教室の バイトをしていた頃

講師として 指導グレードと 演奏グレードを 取ってほしいといわれていて

しかし バイトではなく

本格就職的位置に入ってほしいから…みたいな話をされていて

バイト扱いのままいたかった わたくし

試験は 緊張しちゃうし 

本当は 受けたくなかったものの

「演奏グレードだけでも 取ってほしい バイト代も 割合が上がるから」という言葉につられて

受けることにしたのだった

んも なんか 人前で 審査されるための演奏なんて 

緊張感 何十倍も増し増しですがな!と

逃げたくなったりもして

…しかし その時 お世話になってた先生が 審査員だったりもして

逃げるわけにもいかず

受付の後 試験までの待ち時間

会場にいると 頭痛くなりそうだったので

ほど近い「Count」に 逃げ込んだ

いつもは レコードなのに

その日に限って レーザーディスク(時代!)が かかってて

ウィントン・マルサリスの ワークショップのものだった

クラシック畑の人が 多い ワークショップだったのか

一人ひとりに フレーズを演奏してもらう…というところで

「君たちは なぜ演奏してるの?楽しいからじゃないの?ワークショップで 一人ひとりに 演奏してもらおうとすると クラシック畑の人たちの多くは 自分の出番が来るまで しかめっ面で この世の終わりみたいな顔をして 緊張して 終わった途端にホッとする…そんなに 演奏をしたくないのかい?」てな感じのことを 言った

今の わたくしに向かって言ってる!?くらいの タイミングのよさったら!

確かに 受けたくない 試験ではあったけれど

なんでピアノを演奏してるの?嫌なことなの?楽しく美しいものだったのではなかった?と

自問自答…

そうだな 楽しもう

審査されることは 怖いけど

だからといって おんがくそのものから 逃げる気持ちは 手放してしまおう と

単純にも すがすがしい気持ちになってしまい

会場に戻って

んもうどうとでもなれやたのしむわい と

試験に 臨んだ

相変わらず ばさばさと 雑なタッチではあったろうけど

のちほど たきたせんせいから

「ミスタッチあったけど どこのピアニスト!?てくらい 堂々と入ってきて ニコニコ演奏してたの よかったわよ」と言われ

見事に 合格を いただいた

その後 もひとつ上の グレードも 受かり

「もっと上の受かると カワイ音楽教室主催のコンサートに 出演させてあげられる」と言われ

それは 勘弁してくだせぇ!と 逃げた

その後 音楽教室講師は 

本腰入れないのであれば やめてもらいたい…という話も出て

なんだりかんだり すれ違いなどもあり

たくさんたくさん かわいがってくださった たきたせんせいからも 離れてしまい

お目にかからぬまんま 逝ってしまわれた

頂いた勇気のこと

勇気不足で 再びお目にかかれなかった悔やみ

いろんなことが渦巻くので

この通りを避けてしまっていたのだなぁ なんてことを

改めて思い出した

今度また Count に 行ってみよう

今の気持ちで 音楽シャワー 浴びたいな

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