命日

母 もともと 四姉妹でして

すぐしたの妹「妙子ちゃん」は

三歳くらいで 逝ってしまった

今日は その命日

ずっと 痛くて苦しくて辛い状態で

大好きな苺を「食べたいよぅ」と 言い続けていた

昭和十八年

今ほど 暑くなかったとはいえ

苺の季節は とうにすぎていて

でも どうしても 食べさせたい と

親類縁者女中さんたち ほうぼう手を尽くして さがして

やっとこ見つけた 奇跡の苺

食べてまもなく 亡くなったとのこと

毎年 その逸話を しみじみ語り

苺ものを あげ続けていた ばあちゃん

ばあちゃんがなくなってからは

母が 準備していたものの

母が倒れてからは ぐずぐずぐだぐだのわたくし
いつも 間際になって

あわわ 苺ものを!と 焦って

苺のショートケーキとかで お茶を濁したり

結局間に合わなくて

苺のお菓子になったり…

今年も 朝に あわわ!など いって

どうしたもんか と 考え巡らせつつ 畠に 水を…と 出たらば

おっ

出遅れちゃった 苺が きらり…

奇跡的 

うれしくて いそいそ 摘んだら

あれれ

虫さま 半分食べちゃってた

でも 生の採れたての 奇跡は お供えしたくて

虫さんと 半分こ…なんて 洗って 供えてみる

ちちははあんちゃ「おいおいおい」てな 顔しちゃったけど

ま ほかに 苺を用いた なんか 買ってくるからさ などと 言い訳して

線香つける

相変わらずの そんなこんなですけんど

ごめんしてちょうだいね

見守っててちょうだいね

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