真夜中に 箱が開く

真夜中過ぎに

ふと 箱があく

生きていくのに

必要でもないのに

いつまでも とっておいてある

ひとには がらくたにしかみえない

あれやらこれやら 

おかしの蓋

光ってるわけでもない 石

飴の包み紙

錆びた螺…

人は 笑うのだけど

きらきら光って見えてるんだ

ひとつひとつの 手触りを

思いを ふくらませながら

いっそ これらを

生きていくのに 必要なものにしてしまおう か

根性もないくせに

嘲笑われても 

てれんてれんと やり過ごしてゆく 根っこの さがは

揺るがぬままに

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