紫陽花に 撫でられる

季節ごとの たのしみを

歌に詠んでいた母なのに

こことこ 病だれなる うたばかり

それは 等身大で アララギ的なのかもしれないけど

なんだかなぁ と

もどかしく思ったり

ちくちく いってみたり

でもさ 自力で 季節を感じられるところへ 移動できないわけで

気力体力鈍磨 無理からぬてのに

鈍磨してるのは わたくしの 思いやる心持ちこそだ

すまぬ

季節が見えないなら

そこへ連れ出せないなら

季節を引き寄せる

庭の紫陽花を 切って 挿してみた

母も父も 揃って「おぉ 今ならではの おらぃさも あったんだったな」なんて 顔 ほころばす

父も ほぼ 出歩けずにいるからな

これからも ちょこ ちょこと 引き寄せてこ

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