花迷宮をあとにして

巻き込まれてしまえばよかった

あの 甘やかな 瞬間に

帰り道を選ぶことなく 奥へゆく 虫のように

魂に 触れて

あぁ そうだ と うなづいたまま おればよかったのだ

なのに

「しかし わたくしは」と 漏れでる思い

それは 痺れにも似た 快感から

わたくしを引きずり戻し

さて 己の足で立て 

歩め 

それぞれに と

夢を 熱を 醒ます

拒まれたのではなく

むしろ あゆんでゆこう という 同志として 認められたということなのだ
 
ほんとうは 哀しかったりもするのだけど

そうして また 横顔をみてゆけるのであれば

充分だ

嘆くまい

花迷宮を あとにして

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