月中り(つきあたり)

食中り(しょくあたり)ならぬ

月中り(つきあたり)

昨夜から 未明にかけて

月と

月明かりに照らされて 流れゆく 雲なんぞ

呆けるままに 見上げて

ぽこりぼこりと 湧き上がる思いを

あがるにまかせて

雲と共に 流してしまうつもりが

ついつい惜しんで

留めようとしてしまったせいか

むしろ 眠りの尻尾を 流してしまった

月を眺めると 決まって 吸い込まれるように

うつつが 抜けてゆくのだ

夢見勝ちな 若い頃

夜は 月ばかり見て

眠らずにいたっけな

いまや そんなことすると

翌日 もたんのよね

居待月か 寝待月のあたり…なんて

疼く心に 目隠しして

今夜は 月を見ないで 寝よう

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