父

目を開けても

何かに　焦点を当てていないなぁ　と　思う

視力が落ちていることもあろう

眼に　物を　近づけて　見える？と　訊くと

首を横に振ることが　多い

先日　経管栄養を　接続するとき

牛太郎（うしたろう　去勢済　♂　１４歳）が　すり抜けて入ってきて

足元に絡むので

すまんすまん　も少し待ってて　経管栄養接続したら　ご飯やるから…なんて　話しかけ

父の目が　何言ってるんだ？的に　こちらに向いたので

うっし〜…牛太郎…猫の牛太郎だよ　ぴっちっちっのあとに　一緒に住むことになった　猫だよ　父も　めんこがって　いっぱい写真撮ったりもしてたよ　覚えてる？

と　訊いたら

案の定　覚えていない　というふうに　首を横に振った

まぁ　仕方ないかな

でも　今回は　諦めきれずに

抱っこ嫌いな　牛太郎に　申し訳ないけど

抱っこして　父の眼前に　牛を　近づけた

ほれほれ　うっし〜だよ

思い出したとか　そんなふうではなかったものの

普段　ベッドに　掴まるとか　お襁褓テープあたりもぞもぞするとか　顔を掻く以外　なにかしよう　とか　動かそうとしない　その手で

うっし〜を　撫でた

撫でた！？

何年ぶりなのだ？

ただ触れるではなく

撫でたのだ

うわああぁ！と

内心叫ぶ…うれしさのあまり　泣きそうにもなった

牛が　身動ぎしたので

すぐ　離したけど

ちょっとこりゃ報告！と

母とあんちゃのとこに　駆けていって

父がっ！牛ば　撫ででけだっ！！と　興奮して報告してしまった

二人としては　普段　父が何をして何をしないのか　いまいち把握してないので

なんでそんなに慌ててる？てな　感じでもあったけど

わたくしが　様子を　細々　まくしたてるので

「へぇ　すごいじゃん」と　一応　すごいことだと　わたくしが思っているということは　受け取ってくれたようだ

…ま　いいですけどね

継続することでもなかろうし

でも　こういうの　いちいち　よろこびたいのよね

うしにとっちゃ　迷惑だろうけどね

またなんか　やさしい刺激で　目覚めるものがあるといいなぁ

諦めないでいこう