午後五時に叫ぶ子であった

昔どんな お子さんだったんですか?
と 訊かれると なんて答えたらいいか 迷う。
自分で思っていたことと 他人が見た印象は だいぶ違うものね。
元気にはしゃいでいるようで、楽しければ楽しいほど
どうせ さよならしなくちゃないんだ・・・と
さびしくてさびしくてたまらなかった。変なの。
午後五時に お寺の鐘がなって
みんな それを合図に 家に帰らなくちゃ・・・と 
そそくさと 帰り支度をするのが たまらなく 嫌で
鐘より一瞬早く 大声で 鐘の音を 友達の耳に 届かせまい!と
必死に叫んだり 歌を歌ったりしたっけ。
あやちゃん またはじまったよ・・・てな顔で 友達が「じゃあね」と
一人 二人と いなくなり
一人残されて 行き場の無い叫びや歌を 取りまとめることも出来ずに 
そのまま 大声を出し続けたっけ。
そんなだったので、変な子 扱いされてたと思う。
「昔頭の手術した かわいそうな子なんだから」なんて かばわれたりもしたっけね。
大枠の記憶は 薄れているものの、気持ちに添うた 記憶ばかりが 
今でも 匂いや手触りを 伴って はっきりと 浮かぶ。
一見 突拍子も無いことを やらかす お子を見るたび
自分の かつての「わけあってやらかす」数々の事どもを 思い
なんか 思ってのことだろうなあ なんだろうなあ・・・と
仲間を見つけた気がして 嬉しいんだ。

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