椎茸鍋の思い出

ここ 何十年も 思い出すことなど無かった
幼い頃 家にあった ちっちゃな アルミの両手鍋
強風吹きすさぶ 道路っ傍に
かりゃんかりゃん!と 音を立てて 飛ばされていく アルミ片をみて
いきなり ぶあああっと 思い出した
焦げて 黒ずんで ひしゃげて まるで 不恰好な 干し椎茸のようだった鍋
具合が悪い時 よく ばあちゃんが 
これで お粥を作ってくれたっけ
遠い昔の ある日 母の子守さんだった あちちゃん(あきさん)が 
幼い あんちゃと わたくししかいない家に やってきたとき
何とかもてなそう・・・と 二人で 無い知恵絞って
何故か この アルミ椎茸鍋に 水を入れてコンロにかけ
いあまるものはなんだ?お昼の残りのご飯だ・・・じゃあ卵も入れてみよか・・・あ 梅干身体にいいよね・・・と いらぬ工夫をしまくり
仕舞いには ものすごい匂いを伴って ぶしぶし いい始まった鍋
そこへ あちちゃん「なんだい なんだかこげでっといん あぶねがら おれさかさいん(どうしたの?なにか焦げてるよ あぶないから わたしにかしなさい)」・・・と 来てくれて 事なきを得たっけ
そのあとすぐ ばあちゃんも帰ってきたけど
あちちゃんが こっそり さささっと 鍋も洗ってくれていて
二人の しくじりは ばれることなく
帰り際 なんも ほどこすことなどできなかった わしら二人の頭をなでて
「ありがどないん」と 笑ってくれた あちちゃん
そんな たった一日の 匂いやら 頭の手触りを
一瞬にして 再生されてしまった
何故に呼び覚まされたのか わからないけれども
寒い日の 暖かくなった 一瞬

コメント / トラックバック 6 件

  1. akaru より:

    カアチャンに読んでやりました。二人でホッコリしました。

    • bunbun より:

      ありがとうございます
      あちちゃん すべてのひとが ほっこりしてしまう 本当に 素晴らしい方です
      そのだんなさん・・・て方も
      野山に囲まれて ひろびろとした 自分地の庭の畑の辺りで「用足し」をするのが 常で 
      息子の家に行った時 狭いトイレで 用を足すのが苦痛で
      泊まらずに帰ってきてしまったとか・・・
      のびのびおおらかな方です
      そういえばさっき akaruさまのところにした コメント・・・
      間違って 二度 同じものが 送信されたかもしれません
      「エラー」とでたもので・・・わたくしのパソのせいかもしれませんが 

      • akaru より:

        最近いたずらコメントが多く入るので、設定をややこしくしてます。
        せっかくコメントして下さったのに申しわけありません。
        httpのついたアドレスからのものを今、拒否してます。そんなわけですみません。

        • bunbun より:

          いえいえ わたくしのところも そんなこんなをかいくぐってやってくる
          いらぬメールを弾くために あの手この手を使って
          挙句 仕事メールが届かなかったり・・・などもありますので
          「せっかく」なんてものでもないのですが
          次回 コメントするときは http消しといたほうが良いですかね? 

          • akaru より:

            はい、そうして頂ければ…。
            そのうち規制緩めようとは思ってますが、今あまりにもひどいもので。

          • bunbun より:

            手軽に コメントが掲載される形を取ると
            メールでくるような 出逢い系・・・とかいわれるものが
            ばしばし入り込んでくるようです
            いたちごっこになってしまいますが
            地道に 消していくしかないのが悔しいです

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