はらり

「おもいがける」なんてことのほうが 少ないのだなきっと夢のような 花
夢見るように 散った
思いもかけぬ 姿の現れに
目を見張る わたくしに
「これが うつつ
おのれが 思い至れぬだけの
幾世も前から 変わらぬ姿」
惑いも衒いも卑下も無い
すっくとあるままに立ち上がる 声なき声が
目を覚ませとばかりに
頬を打つ
この世に 思いかけることなど まだわずかもないと
思い上がる わたくしを 諭す

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