もものおんちゃん

そろそろ もものおんちゃんがやってくる
おんちゃんが 初めてうちに来たのは もう十年以上前だったか
呼び鈴がなって 玄関を開けたら、 木の幹のような こんがり日焼けして
タオルをほっかぶりした人が 玄関前の柱に もたれかかっていた。
「はい?」 と 言うと 一言
「もも」・・・と返ってきた
「え?」 と 問い直すと
「もも」
一回目と二回目の 抑揚が、微妙に違った
二回目は だからさっき言ったでしょ的、言い含めるような・・・とでも言ったらいいか
なんだか その素朴で 説得力あるシンプルさに ひとめぼれ
以来 おんちゃんの 桃は 絶対 断らずに買うように、家族にも頼んだりしてね。
半ば当然のように キロ五百円・・・て言っといて 千円分の桃を どさりと 置く・・・もちろん 千円分買っちゃいますわ
走りの頃は 甘くなかったりもする
「この間の 大根みたいだったよ」と訴える母に
「んだ まだ んまぐね(美味しくない)」と言い残して やはり 千円分を どさりと置いていく・・・
そんなおんちゃんの大ファンなわたくし
早く んまぐねぇ 桃でもいいから 持って来てけろ~

コメント / トラックバック 3 件

コメントをどうぞ