いてくれてるけどね

未明 3時ちょい過ぎ

母の 呼ばる声 何度目か…のあたりで

眠りの薄膜が 少しずつ剥がされるように わたくしにまで 届いていた

あぁ あんちゃが 起きてこないのだな と

ぬろり と 目を開けて 出動した

「あぁ…あやちゃん おとさん なんぼ呼ばっても 起ぎでこねぇんだどぃん」とな

おとさん?父のこと?富二男さんが?あんちゃでなくて?と 訊いたら 

うなづく

むぅ

今は 呼ばって 来てけんのは あんちゃだよ 

「おとさんは?」

まぁ 来らんないわな

「なんで?いねぇの?」

ん〜 いねぇっつうが こごらさいで 見守ってでけっけんとも しっこ助太刀は でぎねぇっつうが…

「どごさいんの?」

ん〜…と 考えて 上方を指差したら

「あの世?」ときたもんだ

まぁ あの世とかこの世とか 行ったり来たりだべがね?

…と ここまでやり取りしたら 別段 困った風でもなく 思い出した風でもなく すとんと 気持ち おさまったようだ

母の気持ちの立ち位置も 行ったり来たりなのかねぇ

母が 父のことに関して 過剰に 感傷的にもならずにいるのが もどかしいような気持ちにもなるけど

父が いるとかいないとか どういう状態であろうと 変わらず凪なる思いでいる てのは

むしろ いいのかもしれないなぁ とも 思う

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