手を振り 送ろう

寄生たちが あらかた出ていったあとも

手のひらにのせたら

もじもじもじ と 這うた

そのからだを もっと 透明にした 

美しい 薄緑の汁を ちょっと 流しながら…

もう一度 葉っぱにのせると

時おりからだを揺らせながら

続く限りの いのちを 生きていた

宵闇 迫る頃

闇に染みてゆくような色の汁を出して

動かなくなっていった

手触りは 

やはり あの やわやわのまんまで

いまもそこにいる

即身仏を 拝むように

離れがたくて

…でも 朝になったら

土に 還ってもらおう

いのちの流れ

海原へゆくを

手を振り 送ろう 

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