道化として

「もう 相談もしませんし なんとかやっていきますから だいじょうぶ構わないでくださって結構です」
一方的に 宣言されて
よかったね と思ったり
寂しくなるな て 思ったりする
「もうかまわないでかまわないで」という言葉が
かまってかまってこっちを見て だったり
「生きていることがつらいのです」が
楽しく生きていきたい切望なのだ…と
教えてくれたのは あなたなのだ
人に 相談事など 持ちかけられない わたくしの心持ちの奥を
裏返すようにして あからさまに うろたえて
わたくしごとにきに「相談」なんて預けられる
真っ直ぐに生きている あなたを かっこいいと思ってさえもいたんだよ
ないものねだりに 落ち込んでいたとき
あるものはねだらねぇ…ないからねだるんぢゃ 真っ当だよ…なんて
アドバイスに困って 放った 言葉遊びに
ふふ て 笑ってくれた あの日
救われたのは あなたでなく
わたくしなのだよ
こんなんでも生きてて いいのかぁ…なんてほっとしてもらえる
だれかを ふ と柔らかく脱力させることも ひとつの 生き方だと 知らせてくれたんだよ
もう 遠くへいくとしても 戻ってきちゃいけないことではないのだからね なんて
真一文字に 結んだ 唇に 水をさす
戻ってきたくなくても
逃げ道は あっていいんだから なんて 思うし
あなたによくかいた 手紙セットは いつも 便箋が すぐになくなって
封筒ばかりが残った
「あなたって根っからの道化師なのね」て 皮肉に笑った 若い日
わざと道化師の柄で書いたんだよ手紙
今 どうやら お仕事も そんなんだよ
頑張りすぎなくていいから いってらっしゃい
見送ったままの場所に
たぶん ずっと わたくしは 居続ける

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