ありがとう 中山七里さん

一気に読めそうだった

しかし

つっかえ

たちどまり

一呼吸おいて 再び…の 読み方になっちまった

中山七里 作家生活十周年十二ヶ月連続企画の 締めの一冊

『護られなかった者たちへ』の 続編的

『境界線』(NHK出版)

震災のことについて

ドストレートに その日のことも出てきて

わたくしごときが何を…と 斜に構えつつも

やはり その辺りのことでは

物語の筋と 関係なく 涙が出てしまうのであった

地震なんか ないほうがよかった

でも あの日があった お陰で ということはある

だからといって 震災自体に 感謝などしない

なにがあってもなくても 次へ繋いで いかしてゆくのは 己の中の 手前勝手な思いであり 行動なのだ

あの日があってよかった ではなく

あの日を越えてこうしてきてよかった ということだけだ

境界線を 越えるものと 踏みとどまるもの

さまざま

犯罪をおかしてしまったもの

その種を作ってしまったもの

ただの コマとしてでなく

ひとりひとりが そこへたつことになった 道筋に 息吹を吹き込んでいる

それぞれに 救いは あった…たぶん

中山七里さん 見事だ

ありがとう

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